香港のスターフェリー

香港の香港島と九龍半島の間を流れる、ビクトリア・ハーバーを行き交うフェリー航路であるスターフェリー(天星小輪)。


香港スターフェリー

英国植民地時代の1888年に運航が開始され、1898年イギリスのスターフェリー社が引継ぎ現在の名称になった。戦時中、日本が香港を占領していた時代は44ヶ月ほど運行を停止している。

1972年、1989年には香港島と九龍半島を結ぶ自動車道が、1980年には地下鉄が完成し、ビクトリア・ハーバーを渡る交通状況は著しく改善したにも関わらず、現在まで地元住民、観光客によって年間2000万人の利用客数を誇る。

現在運行されている航路は、尖沙咀-中環と尖沙咀-湾仔の2航路であり、乗客の多い尖沙咀-中環間はわずか7分ほどの乗船時間だが、下層が平日・2.2香港ドル(約31円)、上層が2.7香港ドル(38円)と極めて運賃が安い。

100年ほど前よりほとんど同じデザインの二層のフェリーが運航されており、現在運行されている最も古い船は1958年製である。

1958年から運行している午星(メリディアン・スター)号

2006年には香港島のセントラル(中環)にあった50年の歴史を持つストリームライン・モダン様式の埠頭「スターフェリー・ピア」が、2007年には隣接する「クイーンズ・ピア」が海岸の再開発によって移設されることになるとデモが行われるなど市民が反発。

2006年まであったセントラルの旧スターフェリー・ピア

結局スターフェリー・ピアは1903年に作られた先代のビクトリア様式の埠頭のデザインを再現して移転。クイーンズ・ピアも政府が公開プロポーザルを受け付けるなど柔軟な姿勢を見せたが、結局取り壊された(2018年現在、再建が計画されている)。

運用はスターフェリー社ではないが、2011年に廃止された九龍半島の紅磡-中環ルートの2020年6月からの復活、また2020年中に中環、西九龍、尖沙咀、尖東、紅磡、啓徳を巡る観光客向けの水上バスの開通が計画されるなど、より水上観光へ活用する機運が高まっている。

公式サイト : The “star” ferry company limited






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