世界主要都市・空港から都市中心地までの距離(ヨーロッパ編)

世界中で旅客量が増加するに伴い、世界の空港間でハブ空港の座を巡る競争が激化しています。日本でも空港の利便性を高めるため、中心市街地から空港へのアクセスの改善が求められていますが、今回はATカーニー発表の世界主要都市ランキング上位50都市における、主要空港から都市中心地までの距離を調べました。


ここで言う「都市中心地」とは、首都ではない場合は市庁舎から、首都の場合は国の議会のことを指し、そこから空港への直線距離を計算しています。そのため、例外的に市庁舎や議会が町外れにある都市の場合、実質の中心市街地より数kmのズレが生じる場合があります。大体の目安の距離であるということをご了承ください。

今回は主要50都市の内、ヨーロッパの主要空港についてのデータです。

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ロンドン (イギリス)

ヒースロー空港 23km

ロンドン西部にあるイギリスおよび欧州最大規模の空港。国際線利用者数では2013年まで世界一だった。1929年開港。飛行場を作る際に消滅した「ヒース・ロー(通り)」が空港名の由来。1959年、戦前からロンドンの中心空港だったクロイドン空港が閉鎖したことで、ヒースローがロンドンの主要空港となった。ロンドン中心市街地へのアクセスは比較的良好だが、住宅地に囲まれていることから騒音規制が厳しい。滑走路2本。年間乗降者数8084万人、発着回数47万回(2019年)。

ガトウィック空港 38km

ロンドン市街南に位置する、ヒースロー空港に次ぐイギリスで2番目に大きな空港。ヒースローで捌ききれないチャーター便なども発着している。1936年、競馬場の用地を一部買い取り開港。1950年代、さらに競馬場用地を買い、空港の拡大が行われた。滑走路は1本。予備の滑走路1本があるが緊急用であり、通常時は使われない。2015年には滑走路1本の空港としては初めて年間旅客4000万人を記録した。2019年の旅客数4657万人、発着回数28万回。

ルートン空港 45km

ロンドン市街北にある空港。1938年開港。かつてはロンドン郊外の小規模空港だったが、現在では数多くの格安航空会社が就航している。滑走路1本。年間旅客1658万人。発着回数13万回(2018年)。

スタンステッド空港 49km

ロンドン市街北東に位置する空港。1943年開港。ライアン航空はじめ、格安航空会社の拠点。滑走路1本。年間旅客2799万人、発着回数18万回(2018年)。

ロンドン・シティ空港 12km

1987年開港。ロンドン東部のウォーターフロント再開発地区・ドックランズにある空港。近隣の金融街カナリーワーフで働くビジネスマンがシャトル便などで利用している。唯一の滑走路は1500mと短く、街中にあるため通常の倍近い5.5度という急角度で滑走路に降下しなければならない。そのため離着陸できるのは小型機に限られる。年間旅客数510万人、発着回数8万回(2019年)。

ビギン・ヒル空港 21km

ロンドン南東、丘の上に位置する空港。1916年開港でもともとは空軍基地だった。戦前からのロンドンの主力空港だったクロイドン空港の老朽化のため、1956年、ビギン・ヒル空港が民間にも開放された。現在は空港の利用が制限され、運行は企業シャトル便などに限定されている。年間発着回数4万回(2018年)。




パリ (フランス)

パリ=シャルル・ド・ゴール空港 23km

1960年代、パリの主力空港はル・ブルジェ空港とオルリー空港だったが、急激に拡大する航空交通をさばきれなくなったため、1974年に当空港が開港した。空港名は開始時の大統領シャルル・ド・ゴールにちなむ。現在、ル・ブルジェ空港はチャーター便、プライベート便、シャルル・ド・ゴール空港は主要国際線、オルリー空港は国内や近隣地域便に棲み分けられている。滑走路4本。2019年間旅客数7615万人で、欧州ではロンドン・ヒースローに次ぐ二番目の規模。発着回数49万回、貨物取扱量215万トン。

オルリー空港 13km

1932年、「ヴィルヌーヴ=オルリー空港」として開港し、ル・ブルジェ空港とともに長らくパリの主要空港だった。シャルル・ド・ゴール空港開港後は、主に国内やヨーロッパ域内、中近東、アフリカ、カリブ海方面へのフライトが中心である。滑走路3本。2018年の旅客数3312万人、貨物取扱量11万トン、発着回数22万回。

ボーヴェ空港 70km

パリから北、約70キロに位置する空港。1930年代に建設された。元々は小規模の地域空港であったが、近年、格安航空会社需要の増加によって利用客数は拡大中である。近隣住民との協定により、運用時間は午前7時から午後11時30分まで。滑走路2本。2018年の旅客数は398万人。


ブリュッセル (ベルギー)

ブリュッセル空港 11km

1940年、ナチス・ドイツ侵攻下のブリュッセルにおいて開港。以来ブリュッセル最大の空港である。滑走路3本。2019年の旅客数2636万人、貨物取扱量50万トン、発着回数23万回。

シャルルロワ空港 43km

1919年開港。シャルルロワの市街地からは約7kmほど、ブリュッセルからも約43kmほど離れている。長らく地中海地域へのチャーター便が細々と運用されていたが、1997年頃から格安航空会社の路線が増加。2001年に70万人ほどであった年間利用者数は2019年には802万人に増えている。滑走路1本。


マドリッド (スペイン)

アドルフォ・スアレス・マドリード=バラハス空港 14km

1928年に開港。2000年以降に3本の新しい滑走路が建設され、現在計4本で運用されている。首都マドリードの主要空港。2019年の旅客数6173万人、発着回数42万回、貨物取扱量55万トン。


モスクワ (ロシア)

シェレメーチエヴォ国際空港 27km

ソ連時代、最高指導者フルシチョフが、西側諸国に並び立つような国際空港の建設を命じ、1959年に開港。東ベルリンとの間に国際線が就航した。かつては劣悪な設備、ボッタクリ行為、職員の汚職、市内へのアクセスの悪さなどから悪名高く、多くの海外航空会社は当空港を避け比較的設備が整っているドモジェドヴォ空港に乗り入れていた。しかし、空港連絡鉄道が開通し、またサービス改善が行われた結果、2013年には欧州委員会による欧州地区のエアポート・サービス・クオリティ・アワードを受賞。現在ではロシア最大の空港となっている。滑走路3本。2019年旅客数4593万人、発着回数38万回。

ドモジェドヴォ空港 41km

ソ連時代の1964年、国内線空港として開港。1996年より民営化し、ターミナルビルや施設に投資が行われた結果、あまり評判の良くないシェレメーチエヴォ国際空港から、多くの海外航空会社の便が当空港に移設された。滑走路2本。2018年の旅客数2940万人、発着回数23万回。

ヴヌーコヴォ国際空港 27km

1941年開港。モスクワの空港の中で最も古い。モスクワの他空港の混雑もあり、2010年に新ターミナルが完成するなど、利用客数はロシア第3位の規模にまで拡大している。滑走路2本、2018年の年間旅客2147万人、発着回数16万回。

ラメンスコエ空港 37km

もともとは旧ソ連の軍用機のテスト施設。2016年より、民間利用が開始された。4600mの滑走路1本が運用されている。2018年の年間旅客数1161万人。




ベルリン (ドイツ)

テーゲル空港 7km 

東西冷戦時、1948年のベルリン封鎖の際、わずか49日で滑走路が建設された。当時欧州最長の2400mの滑走路を持ち、西側諸国から西ベルリンへの援助物資は当空港を通じて空輸された。2020年開港予定のブランデンブルク国際空港が完成した暁には当空港は閉鎖される予定である。滑走路2本。2019年の年間旅客数は2422万人。

シェーネフェルト空港 18km

1934年開港。旧東ドイツの中心的空港だった。東西ドイツ統一後、その利便性の高さが見直され投資が行われた。現在ではベルリン第2の空港である。滑走路1本。2018年の年間旅客数は1272万人。


ウィーン (オーストリア)

ウィーン国際空港 19km

1938年、ナチスドイツのシュヴェヒャート基地として開設される。終戦後は英国軍に接収され、英国への定期便も就航。1954年に民間委託された。オーストリアは冷戦時代、中立国であったため、東西陣営の各地を結ぶハブ空港として機能した。滑走路2本。2019年の年間旅客3166万人。


アムステルダム (オランダ)

スキポール空港 10km

1916年に軍用空港として開港した。欧州最大級の6本の滑走路を有する。2019年の年間旅客数は7170万人で、ロンドン・ヒースロー空港、パリ・シャルル・ド・ゴール空港に次ぐハブ空港である。


バルセロナ (スペイン)

バルセロナ=エル・プラット空港 12km

1918年開港。1992年のバルセロナオリンピック開催に合わせて大規模な投資が行われた。滑走路3本。 2018年年間旅客数は5268万人で、スペイン第二の規模である。

ジローナ空港 75km

1965年開港。滑走路1本。しばらく寂れた空港だったが、2000年代、ライアン航空が乗り入れてから乗降客数は10倍に増えた。近年は再び旅客数は減少気味。2018年度は201万人である。

レウス空港 88km

1935年開港。観光地として名高いコスタ・ドラダ沿岸の都市へのアクセスが良く、レジャー客が大半を占める。滑走路1本。2018年年間旅客103万人。


イスタンブール (トルコ)

イスタンブール空港 32km 

既存の2空港の運用能力が逼迫していたため、2018年に開港。それまでの市中心部近くにあった主要空港・アタテュルク国際空港(現在閉鎖)のほとんどの旅客と空港コードを引き継いだ。現在滑走路は4本だが、将来的には6本に拡張する計画があり、最終的には2億人の旅客数を想定する、世界最大の空港になる予定である。2019年の年間旅客数は5257万人。

サビハ・ギョクチェン国際空港 32km 

2001年、アタテュルク国際空港の運用能力が逼迫していたため開港。滑走路1本。2018年の年間旅客数は3413万人で、滑走路1本の空港としては世界で最も忙しい空港の一つ。現在2本目が計画されている。




フランクフルト (ドイツ)

フランクフルト空港 11km 

1936年に空軍基地として開港。半径2000km以内に、欧州の主要都市が収まるという地理的条件により、ヨーロッパ最大のハブ空港の一つとして発展した。滑走路4本。2019年の年間旅客数は7056万人。

フランクフルト=ハーン空港 103km

かつてはアメリカ軍のハーン空軍基地。返還され民間用に転換された。発着料の安さから格安航空会社が多く乗り入れる。フランクフルト市内まで100kmと大変遠く、バスで1時間45分ほどかかる。滑走路1本。年間利用客数140万人(2019年)。


ミュンヘン (ドイツ)

ミュンヘン国際空港 28km

周辺住民の反対など紆余曲折を経て1992年開港。ドイツ第2のハブ空港。2019年のスカイトラックスの空港ランキングでは世界第7位で、欧州の空港では最上位である。滑走路2本。2019年年間乗降客数は4795万人。


チューリッヒ (スイス)

チューリッヒ国際空港 9km

1921年開港のスイス最大の国際空港。市中心部に近いが、長年騒音が問題となっている。スカイトラックスの空港ランキングでは10位と、欧州ではミュンヘン国際空港に次ぎ2番目の評価を得ている。滑走路3本。2019年の年間旅客は3153万人。


ローマ (イタリア)

フィウミチーノ空港 21km 

別称、レオナルド・ダ・ヴィンチ国際空港。ローマ市外のフィウミチーノ市にあるイタリア最大の国際空港。かねてより規模の小さいチャンピーノ空港のキャパシティがオーバーしており、1960年のローマ五輪に合わせて開港。滑走路4本。2019年の年間旅客数4353万人。

チャンピーノ空港 14km

1960年にフィウミチーノ空港が開設されるまで、ローマの主要空港だった。1916年開港。現在では長距離便はフィウミチーノ空港、短距離便(主に格安航空会社)はチャンピーノ空港とすみ分けられている。滑走路1本。2018年年間旅客数583万人。


ジュネーブ (スイス)

ジュネーヴ空港 5km

1919年開設。ジュネーヴ近郊のフランス国境に位置しており、敷地はスイスとフランスの国境をまたいで広がる。空港内にはフランス区域があり、フランス区域からはそのままフランスに入国できる。国際航空運送協会(IATA)の本部機能の一部がある。滑走路2本だが一本は芝の滑走路。2018年の年間乗客数1767万人。


ストックホルム (スウェーデン)

ストックホルム・アーランダ空港 36km 

1962年開設のスウェーデン国内最大の空港。それまでの主要空港・ブロンマ空港の国際線が移管された。しかし3本ある滑走路のうち2本の長さが2500mであり、長距離路線の航空機の処理能力に難がある。2019年年間旅客数2564万人。

ストックホルム・ブロンマ空港 7km

1936年開設。長らくストックホルムの主要空港だったが、運用能力に限界があり、1960年代に国際線は新設のアーランダ空港に移され、当空港は主に国内線を取り扱うようになった。1600mの短い滑走路1本を持つだけだが、市街に近く利便性が高いため、今も忙しい空港である。2018年年間旅客数250万人。




ミラノ (イタリア)

ミラノ・マルペンサ空港 40km

1909年に作られた古い空港。民用化は戦後になってから。滑走路2本。2019年の年間乗降客数は2884万人で、ローマ・フィウミチーノ空港について国内二番目の規模である。

ミラノ・リナーテ空港 6km

ミラノ第3の規模の空港。1920年代に開港した。市街に非常に近いが、それ故発着回数は限られ、しかも滑走路も短いためEU域内の便のみ運行されている。現在滑走路とターミナルビルの改修のため、2021年まで閉鎖する予定である。滑走路2本、2018年年間旅客数923万人。

オーリオ・アル・セーリオ空港 45km

1937年開港。現在は格安航空会社が多く乗り入れており、2018年の年間旅客数1293万人はミラノで2番目、イタリア国内では3番目の規模である。滑走路2本。


コペンハーゲン (デンマーク)

コペンハーゲン空港 7km

1925年開港。当時は世界最初の民間機用飛行場だった。滑走路3本。2019年年間旅客数は3025万人で、外国線旅客数ではスカンジナビア最大の空港である。


ダブリン (アイルランド)

ダブリン空港 9km

1939年、空軍跡地に開港。滑走路2本を有するアイルランド最大の空港である。2019年の年間旅客数は3290万人。




プラハ (チェコ)

ヴァーツラフ・ハヴェル・プラハ国際空港 11km

1937年開港。市街地に近く、騒音問題が発生している。滑走路2本。2019年の年間旅客数は1780万人。





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