メキシコの都市・人口ランキングTOP10
メキシコの都市の人口ランキングです。
メキシコ合衆国 人口 : 1億2864万人 (2020年)
1位 メキシコシティ 842万人
メキシコ中部、標高2240mのメキシコ高原の盆地にあるメキシコの首都。標高が高いため気候は比較的冷涼である。もともと一帯は湖(テスココ湖)だったが、14世紀、アステカ人が神託に従い湖を干拓して都市「テノチティトラン」を建設。当時世界最大の都市の一つであったと言われ、湖の中の島の中央にピラミッドが築かれた、壮麗な景観だったと伝わる。しばらくアステカ文明の中心地だったが16世紀、スペインが入植すると都市は破壊され、壊された街の上に瓦礫を利用してスペイン風の都市が建設された。土に埋まったアステカ時代の神殿が20世紀になって発掘され、スペイン時代の建築物と合わせメキシコシティ旧市街が世界遺産に登録された。スペイン時代も1821年のメキシコ共和国成立以後も首都。アメリカやフランスに占領されることもあったが、その間もテスココ湖の干拓は進められ、現在湖の痕跡は、湿地帯や小さな湖に見て取れるのみである。1930年ごろから人口が急増し、世界有数の巨大な都市圏が形成されていったが、それに伴い現在に至るまで、住宅難、スラム化、大気汚染、渋滞、治安悪化などの都市問題が深刻化している。湖上に作られた地盤の弱い土地のため、1985年のM8.1のメキシコ地震では、震源から400kmほど離れているにも関わらず7000人もの死者を出す甚大な被害に遭った。1968年に夏季オリンピック、1970年と1986年にサッカー・ワールドカップが開催されている。
2位 エカテペック 183万人
メキシコ中央部、メキシコシティの北東にあるメキシコシティの衛星都市。都市名は「風の強い丘」という意味。1877年、メキシコ独立戦争で当地に於いてスペインに処刑された英雄ホセ・マリア・モレロスの名前が付け加わり、正式名称は「エカテペック・デ・モレロス」となった。人類で最も早く人々が定住した地の一つであるとされ、16世紀までアステカ帝国が支配。その後のスペイン植民地時代に現在に通じる市域が出来上がり、18世紀後半に正式に自治体として成立した。隣のメキシコシティが拡張する過程で大きくなった都市であるが、現在エカテペックはメキシコで最も治安の悪い自治体の一つであり、2016年上半期だけでも1700件ほどの殺人事件が起きている。貧富の格差もメキシコ最悪のレベルにある。2016年にメキシコ初のケーブルカー「メヒカブレ」が開通。渋滞のため、山間から市街まで車で90分ほどかかっていた移動時間は、20分ほどに短縮された。治安の悪い地域の上を運行するが、通勤時間が短縮されることによって住民の職業選択の幅が広がることによる収入増加や、地域の雰囲気がよくなることによる治安改善の効果も期待されている。
3位 プエブラ 154万人
メキシコシティから東南、メキシコ高原の盆地・標高2100mに位置する都市。正式名称は「プエブラデサラゴサ」。16世紀に都市が建設されたが、メキシコシティからメキシコ湾に出る中間点に位置する地理的な戦略性から、19世紀にアメリカやフランスに一時占領される。1973年には大地震に遭うも、古いスペイン風の町並みが保存されており、旧市街は世界遺産に登録されている。カラフルな陶器・タラベラ焼きでも有名。
4位 グアダラハラ 153万人
メキシコシティーの西北、標高1500mにある都市。都市名は旧宗主国スペインの都市・グアダラハラに由来する。16世紀にスペインが占領し、すぐに市制に移行した。先住民族のインディオとしばしば抗争を繰り広げながら都市は発展。19世紀、メキシコ独立運動の指導者・M.イダルゴが進軍し、グアダラハラに新政府を樹立してインディオ奴隷を開放した。1940年以降、工業都市として急速に発達。碁盤の目状に整えられたスペイン時代の建築が多数残されている市街は「西部の真珠」と称され、オスピシオ・カバーニャス(施療院)は世界遺産にも登録されている。気候も良く、年間を通じて春のような気温である。
5位 シウダー・フアレス 146万人
メキシコ北部、アメリカ・テキサス州エルパソとの国境にある市。17世紀、ロッキー山脈へのルートを開拓していたスペインによって、リオグランデ川をまたいだ都市「エル・パソ・デル・ノルテ」が設立された。当時、(第一次)メキシコ合衆国は現在のアメリカ・テキサス州やカリフォルニア州も含んでいたが、19世紀なかば、テキサス共和国がメキシコから独立。リオグランデ川以北のテキサス国部分は「エルパソ」と呼ばれるようになった。1863年、メキシコシティがフランスに占領されたため、大統領B.P.フアレスが一時的に当地に逃れたが、そのことにちなみ1888年にメキシコ側の地名が「シウダー・フアレス」に改称された。1990年代から治安が急速に悪化。2005年ごろからは麻薬カルテル間での抗争も始まり、内戦に近い状況に陥った。抗争は収束するも、現在もとある調査で「世界一危険な町」にランクされることもある。アメリカからは観光客、メキシコからは労働者の出入りが頻繁であるが、メキシコ側からの不法入国が問題となり、2016年のアメリカ大統領選挙でも争点となった。
6位 ティフアナ 144万人
メキシコ北西部、アメリカ・サンディエゴ市の飛び地に接する、太平洋に面した国境の都市。19世紀ごろは農村であったが、その後カジノなど娯楽施設を作り、20世紀ごろからアメリカ人観光客が多く訪れるようになった。サンティアゴ中心地から車で15分ほどの位置にあり、車や徒歩での越境が可能である。アメリカ向け麻薬密輸の拠点の一つになっており、近年は麻薬カルテル取締に伴う警察との抗争なども多い。治安の悪化を受け、アメリカ人観光客も減少している。
7位 レオン 128万人
メキシコ中央、標高約1800メートルに位置する都市。正式名称は「レオン・デ・ロス・アルダマス」。「レオン」はスペイン語でライオン、「アルダマス」はメキシコ独立戦争の指導者フアン・アルダマにちなむ。16世紀に建設され、金、銀、銅の採掘で栄えた鉱山都市。19世紀に市制移行。メキシコ有数の穀倉地帯を周辺に控える、農産物の集散地でもある。市内で利用されるエネルギーの約8割が再生可能エネルギーで運用されており、2018年にはブルームバーグ「世界の再生可能な都市100」の一つに選ばれてた。
8位 サポパン 125万人
メキシコ南西部、標高約1600mに位置するグアダラハラに隣接する都市。気候は温暖である。都市は16世紀に成立。17世紀、フランシスコ会によって建てられたサポパン大聖堂があり、現在でも毎年10月には多くの巡礼者が訪れる、メキシコ有数の重要な宗教施設となっている。その他にも多くの歴史的建築が残るなど観光業が盛ん。一人あたりGDPや人間開発指数なども高い、国内有数の豊かな都市である。
9位 モンテレイ 122万人
メキシコ北東部、標高約540mに位置する都市。16世紀、スペインが建設したが、洪水や先住民族・インディオとの抗争などで都市は発展せず、19世紀まで小村に過ぎなかった。1846年の米墨戦争での「モンテレーの戦い」は激戦として記録されている。近隣のテキサスがメキシコ領から米国領になった後、当地からテキサスへの鉄道が開通したことでアメリカ南部への窓口となると急速に発展。今も多くの外資系企業の工場が進出している。
10位 ネツァワルコヨトル 121万人
メキシコシティの東に隣接する、メキシコシティのベッドタウン。標高2000mに位置する。1963年に周辺自治体が合併して成立。市名はアステカ帝国を築いた王・ネサワルコヨトルにちなんで命名された。旧テスココ湖の干拓地に作られた都市で、市域はほぼ平面である。そのため都市は碁盤の目状に規則正しく形成されており、人口密度はメキシコで最も高い。貧困や治安、環境汚染の悪化といった都市問題も深刻化している。
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