チェコの都市・人口ランキングTOP10
チェコの都市の人口ランキングです。
チェコ共和国 人口 : 1070万人 (2021年推定)
1位 プラハ 133万人
チェコ共和国の首都。英語名は”Prague”。6世紀にスラブ人が定住し、9世紀にプラハ城が築かれる。神聖ローマ帝国の配下に入り、10世紀、プラハを拠点としたプシェミスル朝がボヘミア地方(チェコ中部・西部)を支配。プシェミスル朝は後に帝国配下のボヘミア王国へ昇格。その中心地・プラハは西欧と東欧の商人が行き交う交通路となり、国際都市として発展した。14世紀にはボヘミア王国カレル1世が神聖ローマ皇帝カール4世となったため、プラハが帝国の首都となった。カール4世は大学創立、文芸振興に力を注ぎ、「黄金のプラハ」と呼ばれほどの中欧随一の文化都市へと発展した。17世紀、プラハでの宗派対立に端を発する、欧州中を巻き込んだ三十年戦争の後、帝国の首都がウィーンに移され、プラハは衰退した。しかし18世紀以降、帝国有数の工業都市として盛り返し、帝国を支配するドイツ人に抵抗するスラブ運動の中心地となる。1918年、神聖ローマ帝国の流れを汲むオーストリア=ハンガリー帝国が解体されると、かつてのボヘミア王国を中心としたチェコは同じスラブ系のスロバキアと合併して独立。「チェコスロバキア共和国」が成立し、プラハはその首都となった。第二次大戦中はナチスドイツに支配され、約5万人のユダヤ人が殺害された。戦後の社会主義体制でも首都を維持。1968年には民主化運動「プラハの春」の舞台となるも運動は制圧された。1989年に「ビロード革命」によって共産党政権が崩壊すると、1993年、経済政策などで対立するようになったチェコ、スロバキア両国は連邦を解消。「チェコ共和国」が成立し、プラハは引き続きその首都となった。プラハは二回の大戦の被害もあまり受けず、社会主義国のため商業ビルもあまり建たなかったことから、結果として多くの歴史的建造物が残った。プラハ城や旧ユダヤ人墓地、カレル橋などが残る歴史地区は世界遺産に登録されている。
2位 ブルノ 38万人
チェコ南東部に位置する、モラビア地方(モラバ川流域)の中心都市。11世紀にプシェミスル朝の城が置かれ、13世紀からはボヘミア王国モラビア辺境伯領3つの地区の一つ、ブルノ地区の首都となった。このころよりドイツ人によるスラブ地域への植民運動である「東方植民」により、ドイツ化が進んだ。18世紀に炭鉱が発見されると織物のマニュファクチュアが発展し、チェコ人労働者が流入。その後工業化が進み、ブルノは「モラビアのマンチェスター」と呼ばれるようになった。現在では憲法裁判所や最高裁判所が置かれるチェコの司法の中心都市でもある。遺伝の法則を発見した生物学者メンデルや、数学者ゲーデルなど世界的な学者を輩出している。
3位 オストラバ 28万人
チェコ東部、ポーラントとの国境にほど近い、モラビア地方第2の都市。13世紀に作られた要塞が町の起源。18世紀にシュレジエン炭田が発見されると開発が行われ、チェコの冶金(やきん)業の中心地となった。1990年代までに炭田は枯渇したが、現在もチェコを代表する重化学工業地帯で、2004年のチェコのEU加盟後は海外企業の進出も目立ってきている。
4位 プルゼニ 17万人
チェコ西部に位置する都市。ムゼ川、ラドブザ川、ウーフラバ川、ウースラバ川など多くの川が交わる地点にあり、交通の要衝であった。13世紀に都市の特権を得る。このころよりビール製造が始まり、現在日本をはじめ世界中で多く飲まれる黄金色のビールである、ピルスナー発祥の地となった。15世紀に中欧で起ったカトリックとフス派(プロテスタントの先駆け)の宗教戦争である「フス戦争」で戦地の一つとなる。19世紀より、近隣で採れる石炭と鉄鉱石を活かし、工業都市として発展した。現在はチェコ西部の経済の中心都市であるが、聖バルソロミュー大聖堂や市庁舎など歴史的建造物も多く残る。
5位 リベレツ 10万人
チェコ北部、ボヘミア地方北部に位置する都市。ドイツ名は「ライヘンベルク」。13世紀のドイツ人による東方植民によって作られた町で、18世紀以降毛織物工業で発展。「ボヘミアのマンチェスター」と呼ばれた。第二次大戦のナチスドイツの占領時までドイツ人の町として栄えてきたが、戦後ドイツ人は追放され、チェコ人が定住した。ルネサンス様式の宮殿、バロック様式の聖十字教会、ネオ・ルネサンス様式の市庁舎などが残る。
6位 オロモウツ 10万人
チェコ西部に位置する、モラビア地方の都市。周辺は肥沃な農業地帯である。古代ローマ時代にカエサルが作った要塞が町の起源とされ、11世紀には司教座が置かれた。12世紀からボヘミア王国モラビア辺境拍領の3つの地区の一つ、オロモウツの首都となる。13世紀、勢力をヨーロッパにまで拡大したモンゴル帝国に包囲される。17世紀の三十年戦争では一時スウェーデンに支配されたため、モラビア地方の首都がブルノに集約され、戦後もブルノがモラビアの中心地となった。神聖ローマ帝国内において特にザルツブルクとの繋がりが深かったことから18世紀ごろよりドイツ化が進み、スラブ民族運動が高揚していたボヘミア地域としばしば対立した。19世紀末まで要塞が残っていたため工業化が遅れ、第一次大戦後に発展を始めた。チェコ有数の古都であり、ロマネスク、ゴシック、ルネサンス、バロック様式の建築物が残る。聖三位一体柱は世界遺産に登録されている。
7位 チェスケー・ブジェヨビツェ 9万人
チェコ南部の南ボヘミア地方、ブルタバ川とマルシェ川の合流点に位置する都市。13世紀、ボヘミア国王オタカル2世の騎士であるヒルツォによって町が作られ、18世紀には司教座が置かれた。伝統的にドイツ人の多い土地だったが、19世紀より工業化が進みチェコ人労働者が流入。1832年にはリンツ(現オーストリア)まで、欧州初の鉄道馬車が敷かれた。13世紀からの歴史を持つビール醸造、多く残るゴシック建築などが有名である。
8位 フラデツ・クラーロベー 9万人
チェコ西部に位置する都市。10世紀、スラブ人によって城塞が築かれたのが町の起源。13世紀に国王都市となる。14世紀にはヴァーツラフ2世とルドルフ1世の未亡人であるポーランド王の娘、エリザベス・リクサが住んでいたことから、当地は「女王の城(フラデツ・クラーロベー)」と呼ばれるようになる。17世紀、三十年戦争の際に一時、スウェーデンに支配される。ゴシック様式の建築物が多く残るが、要塞を壊し、20世紀初頭の都市計画によって建てられた現代的な建築物も多い。現在は陶磁器や楽器が特産。
9位 ウースチー・ナド・ラベム 9万人
チェコ北部に位置する都市。10世紀、この地に税関が設けられる。13世紀、ボヘミア王オタカル2世の時代に都市として成立したが、町が発展するのは19世紀に入ってからである。ボヘミア炭田の採炭や化学産業で栄えた。第二次大戦ではナチス・ドイツに占領され、連合国軍の空襲に遭う。戦後5万人ほどいたドイツ人は追放され、復興が進んだ。現在は水火力発電所を擁する工業都市、鉄道交通の中心地である。
10位 パルドゥビツェ 9万人
チェコ西部に位置する都市。周辺は農業地帯で、穀物の取引や製糖、醸造などが主産業である。13世紀に町が形成され、16世紀に発展した。チェコでは数少ないルネサンス様式の建築物を残す町である。
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