アメリカ・銃犯罪の多い都市ワースト10

アメリカの銃犯罪の多い都市のランキングです。


当ランキングはSecurity.comによって公表された、人口1万人あたりの年間の銃関連犯罪の件数のランキング(2018年)をもとに作成されています。全米平均は3.4件/1万人(2018年)です。

アメリカには現在およそ3億9000万丁もの銃があると言われます。

1980年ごろをピークとして、2014年ごろまで減少傾向にあったアメリカの銃犯罪件数も近年再び増加し、特に疫病の蔓延による社会的混乱によりここ2年ほどは急増しています。


1位 オカラ(フロリダ州) 28.9 /1万人 

アメリカ南東部、フロリダ州中央部に位置する人口5万人ほどの自治体。ビクトリア様式の家屋が残る歴史地区が観光地として知られるほか、サラブレッドの産地として有名。2000年代に人口増加している。犯罪都市として悪名高いデトロイトやセントルイスよりも上位にランクされたことについてオカラ市当局は、「周辺地域の件数もカウントされている」と統計の不備を指摘し、当ランキングに不満を示している。しかし他の統計でも犯罪が多い地域であることが示されている。


2位 デトロイト(ミシガン州) 26.3件 /1万人

アメリカ中西部、ミシガン州南東部に位置する人口70万人の都市。もともと馬車製造の盛んな地域だったが、19世紀に自動車製造工場の集まる都市として発展する。アフリカ系アフリカ人の工場労働者が大量に移住し、1950年代に人口は185万人を記録するも、1970年代より日本車の台頭により自動車産業は衰退。都市は荒廃し、犯罪が急増した。2008年の金融危機でGMとクライスラーが破綻し、2013年に市は1兆8000億の負債を抱えて財政破綻する。現在では安くなった地価を好む多くの企業が中心街に戻ってきているが、暴力犯罪数、銃犯罪とも全米トップレベルを記録し続けている。


3位 セントルイス(ミズーリ州) 26.1 /1万人

アメリカ中西部、ミズーリ州にある人口31万人の都市。自動車産業を主力とするアメリカ製造業の中心都市として1950年代に人口は90万人近くにまで増えるが、経済のアメリカの西部、南部へのシフトや日本車の台頭などにより、1970年代以降産業が空洞化。西郊と南郊の高級住宅地を除き、犯罪率が高い地域となった。


4位 トレントン(ニュージャージー州) 21.9件 /1万人

アメリカ東部、ニューヨークとフィラデルフィアの中間に位置する人口8万人の都市。19世紀後半以降、鉄鋼を中心とした工業都市として発展した。アフリカ系アメリカ人が人口の半数を占める都市で、公民権運動さなかの1968年に発生した「トレントン暴動」の地として知られるが、暴動以後町の中心部は衰退し犯罪が急増した。2020年も人口8万人の町で40件の殺人事件が起こっている。


5位 ボルチモア(メリーランド州) 21.8 /1万人

アメリカ東部、ワシントンD.C.とフィラデルフィアの間に位置する人口64万人の都市。アメリカ最古の都市の一つで、炭田をエネルギー源とした製造業の中心地として栄え、全盛期には人口100万人に及ぶほどの繁栄を見せる。しかし1960年代以降、産業構造の変化に伴い工業が衰退化し、中心街はスラム化。犯罪が急増した。


6位 ゲーリー(インディアナ州) 19.7 /1万人

アメリカ中西部、シカゴからほど近くに位置する人口6万人の都市。20世紀初頭より製鉄で栄えた町で、1960年代のピーク時には17万人の人口を記録した。マイケル・ジャクソン一家も当時ゲーリーに住んでいた。しかし製造業の衰退ととともに人口が急減し、犯罪が急増。町中には空き家も多く残っている。白人層が多く町を離れたため、アフリカ系アメリカ人の比率は人口の9割近くを占めている。


7位 ウィルミントン(デラウェア州) 19.4 /1万人

アメリカ東部、フィラデルフィアの南に位置する、人口7万人の都市。17世紀、北欧の入植者によって作られた町。19世紀には造船業で栄え、20世紀初頭には人口11万人を記録した。1950年代のモータリゼーションの時代、高速道路の完成で人口が郊外に流出すると中心街が衰退した。1990年代以降、手薄な警察警備の空きを突いた麻薬取引が増え、治安が悪化した。以降、全米トップレベルの危険都市として知られていたが、近年は改善傾向にある。


8位 デイトン(オハイオ州) 18.8 /1万人

アメリカ中西部、シンシナティとコロンバスの中間に位置する人口14万人の都市。航空機を発明したライト兄弟ゆかりの地で、戦前まで軍需産業で栄えた。1960年には人口は26万人まで達するも、産業構造の変化で町が衰退し、中心街も空洞化が進んだ。廃墟が多く、それらが麻薬取引の現場として利用されるなど、治安が大幅に悪化した。2019年には銃乱射事件も発生しているが、2000年代に始まった街の活性化政策が奏功し、全体的な傾向として治安は改善に向かっている。


9位 リトルロック(アーカンソー州) 18.6 /1万人

アメリカ南部に位置する、人口20万人を擁するアーカンソー州の州都。アフリカ系アメリカ人が人口の4割を占める。公民権運動さなかの1957年、黒人学生の高校入学を巡って保守的な州知事と中央政府が対立した「リトルロック高校事件」の地である。1980年代以降治安が悪化し、2017年にはナイトクラブで銃乱射事件も発生している。


10位 ニューオーリンズ(ルイジアナ州) 17.1 /1万人

アメリカ南部に位置する、人口38万人の都市。18世紀、フランス人入植者によって作られた街で、19世紀初頭までフランス領だった。大西洋の奴隷貿易の時代のアメリカの主要港の一つで、多くの黒人奴隷がサトウキビ農園で働かされた。一方で豊かな黒人文化が醸成され、音楽の都としても有名である。19世紀なかばまでアメリカ5番目の大都市だったが、南北戦争後のアメリカの工業化に乗り遅れ、相対的な地位が低下した。近年、暴力犯罪、特に銃犯罪の増加が問題化している。


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