クロアチアの都市・人口ランキングTOP10

クロアチアの都市の人口ランキングです。


クロアチア共和国 人口 : 387万人 (2021年)


1位 ザグレブ 66万人

by Nick Savchenko

クロアチア北西部に位置する同国の首都。古くから人々が居住し、ローマ時代の都市遺構なども残る。

11世紀、クロアチア王家の後継争いを平定し、クロアチアを支配したハンガリー王によって司教座が置かれたのが都市の始まりである。司教座のある大聖堂は市東部のカプトル丘に築かれたが、同時期に西隣のグラデッツ丘にも集落が形成された。

13世紀にタタール人に攻め込まるが、タタール撃退の後、グラデッツがハンガリー王国の自由都市となる。15世紀末からのオスマン帝国の支配を経て、17世紀後半からハプスブルク家支配下のクロアチア王国に入った。16世紀ごろより、カプトルとグラデッツはクロアチアの中心地となっていたが、1850年に2つの丘が合併し、「後方の丘」を意味する「ザグレブ」が成立。ハプスブルク家領オーストリア=ハンガリー帝国時代は「アーグラム」とも呼ばれていた。

1918年のオーストリア=ハンガリー帝国崩壊後に成立した南スラブ人による多民族国家「ユーゴスラビア王国」に組み込まれ、ザグレブの人口は急激に増加。戦時中はナチス傀儡の「クロアチア独立国」の首都となり、戦後1945年成立のユーゴスラビア社会主義連邦共和国に属する「クロアチア社会主義共和国」の首都となった。工業化が推し進められ、ユーゴの重要な工業都市として君臨した。

1991年に「クロアチア共和国」としてユーゴスラビアから独立しその首都となる。1995年まで続くクロアチア内戦では大きな被害は免れ、クロアチアの行政・経済の中心として発展を続けている。


2位 スプリト 14万人

by Tatyana Peshkova

クロアチア南西部に位置し、アドリア海に面する港湾都市。

3世紀から4世紀のローマ帝国時代に、皇帝ディオクレティアヌスが宮殿を築く。7世紀ごろより、沿岸部で移住してきたクロアチア人の勢力が徐々に拡大した。東ローマ帝国の支配の後、15世紀から18世紀までベネツィア共和国配下。この間、スプリトはクロアチア北部から水道を通じてオスマン帝国に抜ける水運交通の要地として発展した。

ベネツィア衰退後、一時ナポレオンに支配されたが、1814年のウイーン会議の結果、オーストラリア・ハンガリー帝国領となる。帝国崩壊後の1918年よりユーゴスラビア王国領。第二次戦時中はイタリアやドイツに支配される。

戦後社会主義ユーゴ領時代に造船を中心とした工業が大きく発展したが、1991年に始まるクロアチア独立戦争の戦禍により、多くの歴史的建造物が破壊された。世界遺産にも登録されているディオクレティアヌス宮殿は、今日では市民の生活の場として活用されている。


3位 リエカ 10万人

by RijekaPhotos

アドリア海に面する、クロアチア最大の港湾都市。

古代ローマ時代に「フルメン」という名の町があったとされ、その後、東ローマやフランク王国などの配下に入り、7世紀ごろクロアチア人が移住。15世紀以降ハプスブルク家オーストリア領、クロアチア、ハンガリー領となり、18世紀に自由港となった。

20世紀に入りリエカが属するオーストリア・ハンガリー帝国が崩壊すると、新しく成立したユーゴスラビア王国とイタリアの間でリエカの領有を巡る争いが発生。戦闘の末、第二次大戦中まで約20年ほどイタリア領となり、イタリア語名で「フィウメ」と呼ばれていた。

戦後ユーゴスラビア領に戻り、ユーゴ最大の貿易港に発展した。1991年より独立したクロアチア領。


4位 オシエク 7万人

by Aktron

クロアチア北東部に位置する都市。

古くから人々の定住があり、古代ローマの要塞ムルサとして知られる。数々の戦いの地となって荒廃したのち、7世紀ごろからクロアチア人が定住。周囲の湿地帯の水害から逃れるため高台に集落を作ったことから、クロアチア語で「引き潮」を意味する「オシエク」と呼ばれるようになった。12世紀ごろ歴史に登場。

16世紀にオスマン帝国に支配される。17世紀末、ハプスブルク帝国領となり、19世紀はじめ帝国自由都市の特権を手に入れ、クロアチア最大の都市となった。

第二次大戦後の社会主義ユーゴスラビア時代は首都ザグレブやベオグラード(現セルビア)と自動車道でつながる交通要地となったが、1991年から始まるクロアチア独立戦争で多大な戦災を被る。社会主義時代は繊維、木材、金属加工業が盛んな工業都市に位置づけられていたが、独立後は衰退し、人口も減少傾向にある。


5位 ザダル 6万人

by dronepicr

クロアチア南西部、ダルマチア地方のアドリア海に面する都市。

前9世紀ごろよりイリュリア人が集落を作り、前1世紀に古代ローマの植民都市となる。その後の東ローマ領時代に、ダルマチアの中心地として栄えた。

10世紀にクロアチア人国家に属するも、13世紀、ヴェネチアによる十字軍遠征により18世紀末までヴェネチア領となり、その後20世紀に至るまでフランスやオーストラリア、イタリアの配下に入った。

第二次大戦後、ユーゴスラビア領。ザダルにあるヴェネチア共和国時代の防衛施設は、「16世紀から17世紀のヴェネツィアの防衛施設群:スタート・ダ・テッラと西スタート・ダ・マール」の一部として世界遺産に登録されている。


6位 プーラ 5万人

by Orlovic

クロアチア北西端、イストラ半島南部に位置する都市。

前10世紀にイリュリア人による定住が記録されている。古代ローマ時代に植民都市となり、当時の円形劇場や神殿が今に残る。東ローマやフランク王国、ヴェネチア、18世紀以降はオーストリアの支配に下り、1920年にイタリアに編入。

第二次大戦後、ユーゴスラビアに復帰した。


7位 スラヴォンスキ・ブロド 4万人

クロアチア東部、サヴァ川を挟んでボスニア・ヘルツェゴビナのボサンスキ・ブロドと接する国境の都市。名称は省略して「ブロド」と呼ばれることもある。「ブロド」はクロアチア語で「船」の意。

古代ローマ時代から要塞があり、「マルソニア」と呼ばれていた。7世紀よりクロアチア人の入植が始まる。13世紀に有史に登場。

16世紀からオスマン、17世紀からハプスブルク家のオーストリアに割譲される。オスマンとハプスブルク家による激しい交戦の地となり、ハプスブルク家が設けた「スラヴォニア軍政国境地帯」に属していた。19世紀からオーストリア傀儡のクロアチア=スラヴォニア王国、オーストリア帝国崩壊後はクロアチア王国領。第二次大戦中はナチスに支配されたため、連合軍の激しい攻撃を浴びた。

クロアチア独立時より工業地帯も整備される。「クロアチアでもっとも美しい都市」との評価もあり、オーストリア時代にオスマンからの防衛のために築かれた「ブロド要塞」は欧州で最も優れた要塞建築とも言われる。


8位 カルロヴァツ 4万人

by Lucija Bušić

クロアチア中西部、クーパ川とクラナ川の合流点に位置する都市。

もとともは16世紀、神聖ローマ帝国がオスマンからの防衛を目的として設けた要塞である。当時、この地は建設を命じたハプスブルク家カール大公にちなみ「カールシュタット」と呼ばれていた。都市は拡大し、18世紀後半に自由都市に定められる。

1990年代のユーゴ内戦では町は大きな損害を被った。現在はビールの醸造で有名である。


9位 ヴァラジュディン 3万人

by LBM1948

クロアチア北西部に位置する都市。

12世紀、有史にその名が現れる。13世紀に自由都市の特権を得、ザグレブとウイーンやブダペストを結ぶ交通の要衝として栄えた。18世紀半ばにクロアチアの首都となるが、大火により20年でその座はザグレブに戻った。

1990年代のクロアチア紛争での大きな戦災からは免れ、中世の要塞や宮殿、市庁舎など多くの歴史的建造物が残っている。


10位 シベニク 3万人

by Nikater

クロアチア南西部に位置し、アドリア海に面する都市。

11世紀に歴史に登場。13世紀にカトリックの司教座が置かれ、16世紀に完成した聖ヤコブ大聖堂は世界遺産に登録されている。15世紀から18世紀にベネツィア共和国の配下に入る。

この時期にオスマンからの攻撃に備えシベニク沖合に作られた聖ニコラス要塞は、「16世紀から17世紀のヴェネツィアの防衛施設群:スタート・ダ・テッラと西スタート・ダ・マール」の一部として世界遺産に登録されている。

クルカ川の滝から発生する電力をエネルギー源とした、アルミ精錬、造船、製鉄などが盛んな工業都市である。


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